製造業やインフラ業界,食品加工業などにおいて,製品や商品の外観検査は品質保証の観点で必要不可欠な工程であり,いまだ人間の目による目視検査が主流である.また,省人化への取り組みが避けられない環境下おいては,人に依存する検査工程がボトルネックとなり,生産性の低下に伴う企業の競争力低下を招く要因となる.カメラを用いた画像検査システムの導入が進められているが,高価な産業カメラを用いる場合が多く,複数台のカメラを設置したり一台の高感度・高性能カメラで検査範囲を網羅する場合は,カメラへの投資費用が非常に高額となる.
さらに,生産ラインでは単一の商品をたくさん作る大量生産が主流であったが,近年では顧客ニーズの多様化に伴い,多品種少量生産に取り組む工場が増えた.しかし,少数の正常データのみから異常検知を行うことが課題であり,欠陥検査の自動化が十分に進んでいないのが現実である.
本テーマでは,目視検査の自動化を念頭に「いかに少ない正常データのみから高速な表面異常検査を行う」を目的とする.